床上浸水(まだ余裕。)


全損瞬間(ちょっとドキドキ。)


2日後の様子。

あれは確か9月11日午後7時頃。夕方頃から雨がひどくなり、「やだねー」なんて言ってました。いつの間にか側溝が溢れかえり、マンホールから水が吹き出てました。この程度はよくある事なので「またかー」って話してました。そのうち、どんどんと水が増え続け、工場内へ浸入。積車にて、預かり車両のGTVを本社工場へ移動。本社は若干高い所にありますので。本社からもどると、前の道路はヒザまで水が・・・。そして1段高い事務所内へ浸入。もうタイタニックの世界。とりあえず下にある書類などを上に重ねていきます。もう止まるだろうと何度思った事か。上のロゴはグループ社員のエキマニ製作途中車。フロントはジャッキで上げてあるし、エキゾーストハウジングもかなり上。ここまで来るのに道路から約1メートル50センチ。さすがにフロアが浸かった時は焦りましたが、洗えば何とかなる。何を守るか何を捨てるか?考えてる間にも1つ1つ選択肢が沈んで行きます。結果コンピューターと通信機器は何とかしようと。中2階の上にこれはどうしてもって物を積み上げました。すでに工場内腰上です。道路は首まで。ロゴのエンジンにも水が入り込み、さすがに身の危険と寒さにより中二階へ避難。泥と、油まみれの水がまだまだ上がり続けます。缶やタイヤや書類などで工場内ごった返しです。もう出来る事も無くただ水面を眺めるばかり。遂にロゴも天井までどっぷり浸かり、道路は2メートル近く。配電盤に差しかかる手前で、さすがに生命の危機を感じ、窓から脱出。結局上の写真の緑線まで行っちゃいました。ポリタンクに携帯を詰め込み、浮き代わりにしがみついて泳ぐことに。懸命に泳いでいると、他の建物の2階からギャラリー?が心配そうに声を掛けてくれます。ぜぇーぜぇー言いながら、笑顔で「大丈夫ッス!」目的地は1キロ離れた第二工場。「あーもう死ぬかも?」って何度も思いました。。流されないように標識に掴まり、たまに車の屋根で休憩しつつ。(こんな無謀な事をする奴から順番に死ぬのかな?)なんて、後悔しながら泳ぎまくり。かろうじて幸いだったのが、目指した方向に自動車学校の柵が水面より30センチくらい下にあった事。それに掴まりながら何とか沖へ。野次馬が集まる中、さっそうと泳いで現れた2人に皆様はどうお思いになられたのか?そしてまた水の中に消え工場まで爆泳。そこで見た光景とは・・・?黄色のポルシェは水の中。積車もなぜか水の中。2階に上がり、電気はダメだわ、食べ物無いわ。机に眠ってたありがた迷惑な、どこぞ産のお土産タバコがおいしく感じられる機会もあれ以外に無いでしょう。夜明けを待ち、ヘリコプターが飛ぶ飛ぶ。やがて社員が土手に集まり、ボートでかわるがわる食料やタバコを届けに来てくれました。あのつらい日から1週間。それよりもつらい掃除洗濯の日が続き、なんとか営業を始められる状態まで復旧させました。あまり歓迎できる経験じゃないけど、ゼロに戻ったときにはいい経験をしたと思えるような気がします。最後に、たくさんの方に心配して頂き、励ましのお言葉を頂きましたことを心より感謝しております。ありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いいたします。



水没してしまうと、水は乾いてもヒドイ匂いが残ってしまいます。フロアカーペットも全てめくり、全て洗浄して、消臭仕上げを施します。特にイタリア車の場合、特殊な内装の組み付け部分が多いので、ばらしのノウハウが無いと、非常に厄介です。まぁ滅多にありませんがそんな時のご相談もお気軽にお問い合わせ下さい。詳しくはこちらから。

デルタのフロアカーペットです。デルタのフロアって、なぜかビニール付きっっぱなしが多いですよね?多分ここまでばらさないと、きれいに剥がせないからでしょうね。インポーターが悪い。